東京オリンピックの「デザイン力」
こんにちは、デザイナーのひとみです。
私たちは日々、様々な「デザイン」に左右されながら生きています。
たとえばみなさんもよく利用されるコンビニも、人が通る動線や買う順番を分析して店内配置が作られています。他にも様々なデザインが散りばめられているのです。
そんなデザインされている世の中でやはり注目したいのが、東京オリンピックについてですよね。今更このネタに触れるのもどうなのかなと思ったのですが、先日行われた東京マラソンをテレビで見ていて、これは「デザイン」という視点で書かなければと思い、今回の題材にしました。
素晴らしく「デザインされている」と感じた東京オリンピックをデザイン視点で紹介します!
もくじ
日本を日本らしくブランディングする
リオオリンピックの最後に、マリオに扮した安倍さんが土管から出現した映像は印象に残るものでしたね。
また、動画では、いまや「JK」という呼び名で日本を象徴するものの1つになった女子高生が、これまた日本の象徴の1つである渋谷のスクランブル交差点に立っているというシーンから始まり、「日本ぽい」ことやものが動画として流れてきます。文字や言葉が一切出て来ない動画。
どんな素晴らしい映画の広告でも日本らしさを忘れない昨今の広告では想像しえない、目で見て体験する動画だと感じます。
詰め込む「日本」
やはり気になるのは、詰め込まれている「日本」という要素。
動画を冒頭から見始めた際に感じたのは、「この動画は未来を映すのでは」ということ。なぜならば、オリンピックは2020年。未来にある日本を想像させてくれるものではと思っていました。
しかし、素早い展開に待っているものは1964年に開催した東京オリンピックをオマージュしたシーンや何十年も人気を誇る日本のキャラクターたち。これらは、1964年のオリンピックを思い出せる世代にとってグッとくるものではないでしょうか。それに付け加えて視聴者を引き込ませた阿部さんの登場シーンや、演出。
とくに演出はシンプルで美しい、日本の良さが伝わってくるものでした。
どれをとっても日本を日本らしく、イメージさせるものばかりです。
「そうそう、日本といえばこれだよね!」
どんな国の人であろうとも、はたまた我々日本人であろうとも、そう感じさせることで日本という文化を創り上げたのだと感じます。
言葉を使わず、日本を伝えた素晴らしい演出でした。
東京オリンピック演出のデザインポイント
- 「そうそう、これが日本だよね!」を世界中で共感させる
- シンプルな美しさで日本らしさを。
- 言葉を使わないで伝える力
最後の映り方までこだわりを
何気なくテレビをつけ、普段見ない番組に見入ってしまいました。
それが、2月26日に開催した東京マラソンです。
皆さんご存知の通り、東京マラソンのコースが変わりましたね。私はスポーツが苦手が故にスポーツには疎く、番組も変えてしまうほどですがこの情報だけは知っていました。
なぜ、コースを変えたんだろうと推測するのに、その答えは一目瞭然でした。
ゴールをする際、正面から撮影をするとランナーのバックに綺麗な東京駅が映るからでしょう。
そう、それが見入ってしまった要因でした。ゴールする光景はとても美しく、どこから撮影しても東京駅が入る「デザイン」にしたことで視聴者の印象に残ります。そして、東京オリンピックに向けたブランディングとしても東京駅が最適だったのだと。
思わず、東京オリンピックのコース変更をしたプロジェクトチームに拍手を送ってしまいました👏
東京マラソンのデザインポイント
- 東京らしさを分かりやすく伝える東京駅
- 東京駅を背にしてゴールすることでどこから映しても美しさを保つ
- オリンピックに向けた「TOKYO」という名前をブランディング
オリンピックに向けてプロジェクトを走らせる企業
他にも気になる、オリンピックに向けてブランディングをする企業の数々。
私が個人的に好きなのは
この4つです。
どれも遊び心を持たせながらも下品にならないような演出に、毎回新しいCMが出るたび気になって見てしまいます。
上記の広告を見て思うのは、やはりオリンピックに向けて「日本らしさ」をプロダクトとイコールしていることです。そうすることで旅行者を興奮させて興味を持ってもらうことができるのかなと。
カップヌードルは海外の方が好きな日本らしさを詰め込んでいますね。それで東京オリンピック開催中に食してもらえたら成功です。あのゴリゴリのPRがとても好きです。
このように、プロダクトを日本らしくブランディングすることで海外の方が反応すること間違い無しなのはもちろんですが、日本ってかっこいいんだなと、日本に住んでる私たちも感じることができるのです。
オリンピックに向けた各企業のデザインポイント
- 未来の日本ではなく、日本らしさをプロダクトとイコール
- オリンピックに向けた長期的なブランディング
以上、私なりに考えたオリンピックの「デザイン力」でした。